フリーのデザイナーになりたいという相談を受けた

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実際厳しいと聞きましたが、独立してフリーになりたいんです。

「独立しようと思っています。なにかアドバイスありますか?」

「・・・・」

もうフリーになるという決心は変わらないようです。
思い起こせば、自分もそうだった。
周りの意見なんて正直聞くつもりも無かったし、
自分にはフリーになること以外の選択肢は無かった。
うまくいく、うまくいかないなんて、全く考えていなかった。
まさにバブル時代の思考回路である。

「まあもう何を言ってもフリーでやるんだろ?そしたら、がむしゃらに働くしか無いよ」
「仕事無くなっても何の保証も無いし、つらくてもだれも助けてくれないよ」
「最初の数年は良いかもしれないけど、継続していくのがどんどん大変になるから、
しっかりと、考えて仕事した方が良いよ」

とまあ無難に答えた。
だって、決心は揺らぎ無い感じに見えたので、何を言っても聞かないでしょ。

話が進むと、
「今の会社じゃ、給料安くって。そこそこ良い仕事しているのに、みな会社にとられてしまって。」「でも自分も馬鹿じゃ無いから、仕事も今の半分くらいしかこないと仮定してるんですけど、それでも今よりは全然良いんですよ。だから良いときに貯めておくつもりです」
「なので、税金対策とか考えなきゃいけないし。Dさんの税理士さんとか紹介してもらえませんか?」

ちなみにこの男、
某都内の大手制作会社(100名くらいいる。もっとかな)のデザイナー33歳。

自分の力を試したい!とか、
違うジャンルの仕事をしてみたい!とかいう話かと思えば、
「金なんだ・・・」
自分との違いにちょっと戸惑いを覚えつつも、
まあ人の人生、好きにすればいいやと思って、そこからは適当に話をした。
もちろん税理士さんは紹介する気も無い。

フリーになる理由がお金ならやめておけ

これは昔、凄くお世話になった大先輩(フリーのCM監督)のお言葉。
お金は手段であって、目的では無い。お金は結果としてついてくるもの。
これはビジネス書などにも書かれている基本中の基本。
しかも独立する前から、節税とか、税理士とか・・・。
何を言ってるんだか・・・。

その話を愚痴るように、他業種の友人と飲んでいるときに話をした。
自分の求めていない意外な返事が返ってきた。

「時代の違いだよ。うちの20代の若いやつは、
プライベートでFPつけてるやつ何人もいるぜ?金なんだよ。金。」
と、友人。

「まじか・・・」

100歩譲って、お金なんて何とかなるさ!
という根拠の無い自信はバブル時代の思考だと言われる。
だからなにも考えずに、突き進められたのかもしれない。

でもフリーになって、年収上がるなんて、逆におかしいと思うんだけど。
もちろん良いときもあると思うけど、
長年続けていったら、絶対厳しいともうけどなあ。

Fデザイナーに一番必要なモノ、それは「信念」である。

仕事が思うように入ってこないときには、
心が折れてしまう。精神的にもよろしくない。

だからこそ、仕事に対する強い信念が無ければ、自分はつぶれてしまう。
と私は信じています。

だからここまでやってこれた。
これからもやっていけるのは、信念のおかげだと。

時代が変わっても、これだけは不変のものだと思う自分は、もはや恐竜なのか。

まあいい。結果が全て。
相談をしてきた男と、私と、どちらが生き残るか勝負だ。
っと、勝手に闘争心を燃やしている今日この頃です。